NaPiOnでインテリジェントLED...page.2/3


パーツリスト

数社の通販を利用することで揃えられます。念のため次の「部品の概要」を見ておいて下さい。
品名 回路図 規格 個数 備考1 参考2 調べた予算
NaPiOn(ナピオン) AMN31111 1 パナソニック 千石電商
C-MOSロジックIC IC1 74HC123 1 DIPタイプ サトー電気
C-MOSオペアンプ IC2 NJU7094D 1 新日本無線 サトー電気
チャージポンプIC IC3 MCP1252-33X50 1 マイクロチップテクノロジー サトー電気
超高輝度LED(赤色) LED1 φ5mm 1 メーカー問わず(Vf≒1.8〜2.2V) サトー電気
FluxLED(白色) LED2、LED3、LED4 3 メーカー問わず(Vf≒3.0〜3.6V) サトー電気
CDS CDS 1 小型でよい 秋月電子
小信号用ダイオード D1 1N4148 1 相当品でよい 秋月電子
1/4W炭素皮膜抵抗 R9、R10、R11 150Ω 3 茶・緑・茶・金 サトー電気
R3、R6 3.3KΩ 2 橙・橙・赤・金 サトー電気
R2 47KΩ 1 黄・紫・橙・金 サトー電気
R1 220KΩ 1 赤・赤・黄・金 サトー電気
R4、R5、R7、R8 560KΩ 4 緑・青・黄・金 サトー電気
電解コンデンサ C4 22μF 耐圧50V 1 サトー電気
C5 100μF 耐圧25V 1 サトー電気
積層セラミックコンデンサ C1、C3、C9 1μF 耐圧25V以上 3 誤差はZ級(-20%〜+80%)でもよい 秋月電子
C2、C6、C7、C8 10μF 耐圧25V以上 4 誤差はZ級(-20%〜+80%)でもよい 秋月電子
半固定抵抗 VR1 100KΩ 1 単回転サーメットトリマ サトー電気
丸ピンICソケット DIP8ピン 2 サトー電気
DIP16ピン 1 サトー電気
オス-オス連結ソケット DIP8ピン 1 秋月電子
SSOP8ピン変換基板 8ピン用 1 0.65mmピッチの8ピンSSOPを
2.54mmピッチへ変換
秋月電子
ユニバーサル基板 ICB288G 3 本回路は1枚 サトー電気
電池ホルダー 単三乾電池3本用 1 サトー電気
配線材料
ネジ、スペーサー類
両面テープ
製作の項を確認して必要なものを用意



部品の概要

NaPiOn(ナピオン):AMN31111
 
NaPiOn(ナピオン)とはパナソニックの焦電MPモーションセンサーモジュールのことです。
MPとはモーションパッシブのことで特別な意味はなく、一般にはモーションセンサーと呼ばれます。
パナソニックのNaPiOnはセンサーに関わる全ての回路を内蔵しているので誰でも簡単に扱うことができるものです。

原理など詳しくは、モーションセンサー、パッシブセンサー、焦電センサー、ナピオンでWEB検索してみて下さい。

今回使用したNaPiOn:AMN31111は、標準検出タイプで最大検出距離は5メートルです。
検出範囲は水平方向100度、垂直方向82度になっていますが、今回の回路(動作)は検出させたい方向にセンサーを向けるだけで、特別に水平・垂直方向は気にしないでいいでしょう。
気になる場合はパナソニックのホームページから調べて下さい。

NaPiOn:AMN31111は、Vdd、GND、Outの3本のリード線があり、接続を間違えないようにして下さい。
私なりに言葉で記すならば、二等辺三角形の頂点に相当する端子が「Out」、ボディーと導通がある端子(見れば解る)が「GND」、残りが「Vdd」って感じです。感じというか、そのまま。







C-MOSロジックIC:74HC123
 
74HC123は、モノステーブルマルチバイブレータ(単安定マルチバイブレータ)回路を2つ内蔵したICで、多くの半導体メーカーで製造されています。

モノステーブルマルチバイブレータは、ワンショットマルチバイブレータとも呼ばれ、入力にパルス(トリガ信号)を与えると一定時間のパルスを出力する動作をします。
マルチバイブレーター回路は動作の違いで数種類の回路が存在し、入力信号をトリガ信号と呼ぶことが多いです。
これはマルチバイブレータ回路を作動させる引き金(トリガ)となることから、そう呼ばれていると思います。

74HC123はリトリガ可能なモノステーブルマルチバイブレータ回路です。
リトリガとはマルチバイブレータ回路が動作している途中でもトリガ信号を与えることで出力パルスの再延長できるものです。

74HC123の出力パルス幅(T)は、Rx/Cx及びCxに接続する抵抗とコンデンサの値で決まります。

T=C・R・K 〔秒〕

係数Kは、74HC123の製造メーカーで異なります。
私は東芝のものを使いました。このメーカーの場合の係数Kはおおよそ1です。
なので、

T≒C・R 〔秒〕

になります。
計算しやすく単位を書き直すと、

T≒C〔μF〕×R〔MΩ〕 〔秒〕

で直接〔秒〕が算出できます。

白色LEDの点灯時間を決定する部分はC4とR8になり、今回は22μFと560KΩ(=0.56MΩ)にしたので、22×0.56で約12秒となります。
東芝以外のメーカーの74HC123の場合、係数Kは0.6前後になりましょう。係数Kが0.6だとすれば当回路の定数のまま製作すると、22×0.56×0.6で約7秒となります。

12秒と7秒の差は大きいですが、実際に使ってみると不便とは感じません。これは完成した回路の点灯時間で使い慣れるからです。
このため東芝の74HC123に拘る必要はありません。ただし、複数台製作する場合はメーカーを揃えたほうがいいでしょう。

また、74HC123のデータシートによるとCR時定数箇所に用いるコンデンサの容量によって内部破損を防ぐダイオードを接続するように記述がありますが今回の回路には必要ありません。
それは時定数のコンデンサはさほど大きな容量でないことと、電源を遮断する時は既に電源電圧が低下しているためです。

取り付け方向に注意て下さい。




C-MOSオペアンプ:NJU7094D
 
C-MOSオペアンプは低電圧駆動、低消費電流、低入力オフセット電圧、低入力バイアス電流が特徴なオペアンプです。
電池駆動の携帯機器の回路に用いられたり、微小変化を捉えるセンサーのインターフェースに用いられたりします。

今回用いた新日本無線:MJU7094は、入力・出力共にフルスイングタイプのC-MOSオペアンプで、

動作電源電圧範囲:1〜5.5V
消費電流:15μA

になっています。
出力電流は、吸い込み電流(カレント・シンク)は約1mA取れますが、吐き出し電流(カレント・ソース)は2.9μA程度になっています。
(2.9μAでもC-MOSロジックの入力電流には充分な値です)

その他のC-MOSオペアンプを用いる場合は、動作電源電圧と消費電流が同等で、入力・出力共にフルスイングタイプのもを選んで下さい。
その他のスペックは気にしないでいいでしょう。

フルスイングタイプとは、入力又は出力電圧が電源電圧の範囲まで扱えるものをいいます。

取り付け方向に注意て下さい。




チャージポンプIC:MCP1252-33X50
 
PICマイコンで知られるマイクロチップテクノロジー社のチャージポンプレギュレーターICです。
チャージポンプレギュレーターとはコンデンサの充放電によって入力電圧より高い電圧を生成したり、負電源を生成する回路です。

この高速で充放電するコンデンサはチャージポンプレギュレーターにおいてフライングコンデンサと呼ばれ、MCP1252-33X50ではC+/C-端子に接続するコンデンサに該当します。

MCP1252-33X50は、3.3Vの出力を行なわせるか、5Vの出力を行なわせるか選択ができます。
SELECT端子をVinレベルにすると3.3V出力、GNDレベルにすると5V出力になります。

3.3V出力時の入力電圧は2.1V〜5.5Vを要し、5V出力では2.7V〜5.5Vを要します。
ただし、最低入力電圧をある程度下回っても発振し続け、入力電圧の2倍の電圧を出力してくれます。

PGOOD端子は3.3V又は5Vを安定して出力していることを知らせるものです。

取り付け方向に注意て下さい。また、とても小さな部品なので紛失に注意して下さい。
この小さな部品を見ただけで「ハンダできるかなぁ〜?」と感じてしまうかも知れません。




超高輝度LED(赤色)
Vf=1.4〜2.6V程度の赤色LED(又は黄色LED)を使います。
消費電流を抑えるため少ない電流で駆動したので必ず高輝度タイプ又は超高輝度タイプを選んで下さい。

赤色と黄色以外の発光色は一般にVfが高く満足な輝度が得られないので使わないで下さい。

発光ダイオード(LED)のVfとは順方向(アノードからカソード方向)に電流を流したときのLEDの両端子の電圧降下のことで、LEDを満足に発光させる最低電圧だといえます。

取り付け方向を間違えると点灯しないばかりか壊れることがあるので注意して下さい。




FluxLED(白色)
メインの照明として使う白色LEDには指向性が広いFluxLEDを使ってみました。
よく見掛ける弾丸の形状をしたLEDは指向性が鋭くて簡単な照明として使いにくいでしょう。

ここで使うFluxLED(白色)はVf=3〜3.8V程度のものを使って下さい。
内部に複数のLEDチップを使ったFluxLED(白色)はVfが高く発光させることができませんので注意して下さい。

取り付け方向を間違えると点灯しないばかりか壊れることがあるので注意して下さい。







CDS
 
CDSは光の強弱を抵抗変化として動作する光センサーです。

大きさによって、明るい時の抵抗値と暗闇の時の抵抗値にバラツキがありますが、半固定抵抗で調整可能にしたので殆どのCDSが扱えます。
私は秋月電子の5mmタイプを使ってみました。

取り付け方向はありません。



小信号用ダイオード:1N4148
ダイオードは一方向にしか電流を流さない電子部品です。
回路記号が矢印のようになっており、この矢印方向に電流を通し、逆方向は電流を通しません。

ダイオードは扱える電流や速度などによって沢山の品種があります。

今回はデジタル信号回路で扱うダイオードとしてポピュラーな1N4148を使います。
入手性に優れています。

取り付け方向に注意します。




1/4W炭素皮膜抵抗
1/4W炭素皮膜抵抗は写真に掲げるような色・形をしています。
帯状のカラーで抵抗値を表しています。このため俗にカラー抵抗とも呼ばれたりします。

今回使用する抵抗値のカラーはパーツリストに示したとおりです。
自分でお皿に取って購入するようなパーツショップでは違う抵抗値が混じっている場合があるので確認しながら購入して下さい。

より小型に製作する場合は1/6Wや1/8W品でも構いません。

取り付け方向はありません。




電解コンデンサ
コンデンサには耐圧があり、耐圧を超える電圧を扱うことはできません。

今回の回路は電源電圧は4.5V(チャージポンプICで昇圧しても5V)なので、パーツリストにあるような22μF(マイクロファラッド)に耐圧50V品、100μFに耐圧25V品と随分と耐圧に余裕のあるコンデンサを使っているなぁと思われるでしょう。これは入手性を考慮しています。

電解コンデンサは無極性タイプを除き、極性があるので取り付け方向に注意して下さい。
新品時は長いリード線がプラス極です。コンデンサ自体を覆うビニルのスリーブにはマイナス極を示すマークが表示されています。




積層セラミックコンデンサ
ノイズ除去に優れている積層セラミックコンデンサを使って下さい。
1μFは「105」、10μFは「106」と表示されています。
誤差は-20%〜+80%のZ級で構いません。

取り付け方向はありません。




半固定抵抗
半固定抵抗はトリマー抵抗とも呼ばれます。

「半固定抵抗(トリマー抵抗)」は一度調整したら点検時以外は殆ど触れない箇所に用いる抵抗です。
このため調整後の抵抗体として高信頼になっていますが、回転寿命は短いので無闇にグルグル回さないようにしましょう。

トリマー抵抗は、単回転タイプと、多回転タイプがあります。
今回はシビアな調整ではないので写真のような安価な単回転タイプで充分です。

写真には2個の半固定抵抗が写っていますが使うのは1個です。




丸ピンICソケット
C-MOSオペアンプにICソケットを用いるのはおかしいですが、ICソケットを用いるのはパーツを使い回しする私の癖です。

丸ピンタイプのICソケットに拘りはありませんが、変換基板でDIP化したMCP1252-33X50には丸ピンICソケット(8ピン)を使って下さい。
私は丸ピンICソケットで統一しました。

C-MOSオペアンプとMCP1252-33X50は8ピン、74HC123は16ピンのICソケットになります。




オス-オス連結ソケット:DIP8ピン
MCP1252-33X50をDIP化するために用います。後述の製作の項で確認して下さい。




SSOP8ピン変換基板
秋月電子で売られています。1つだけの販売はされていないようです。
ICの向きで「Aタイプ」と「Bタイプ」があり、どちらでも使えますが私個人の意見として「Aタイプ」のほうが作業し易いです。




ユニバーサル基板:ICB288G
サンハヤトのユニバーサル基板です。
パーツリストには3枚となっていますが、これは私の作り方によるものです。
今回はケースに入れず、回路を剥き出しで完成させました。詳しくは製作の項で確認して下さい。




電池ホルダー:単三乾電池3本用
リード線をハンダするものはハンダコテの熱で変形することがあるのでリード線が付いているタイプのほうがいいかと思います。




配線材料、ネジ類、両面テープ
製作のページで確認して下さい。
両面テープは電池ホルダーの固定で使います。
どのように作るか考えて材料を揃えて下さい。


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