実験用直流安定化電源...page.1/10


はじめに...

当製作品は、コンセント(商用電源)の交流100ボルトを使用します。
責任は一切負いませんので、製作に当たっては感電事故,怪我には十分注意願います。

初めてAC100ボルトを使ったセットでは「感電するのでは?」と敬遠されがちですが、感電しないよう注意すればよいのです。



概要

コンセント(AC100ボルト)から、電子工作や電池を使ったセットに使用する直流電圧(DC)に変換する機器です。
また、電子工作など実験に便利に使えるようにDC1.5ボルト〜20ボルト程度に可変できるものとしました。
回路は3端子レギュレーターICを使用して簡単に仕上げることにします。



ブロック図(構成図)

回路図

回路の説明

コンセントからのAC100Vはヒューズと電源スイッチを介して変圧器(トランス)に入ります。
このトランスではAC20Vに変圧(降圧)させます。
AC20Vは整流器(ダイオードブリッジ)により、全波整流します。
全波整流された波形は脈流のため、容量の大きいコンデンサにより直流に近い波形に平滑します。

このまま負荷を接続しても結構ですが、多くのリップル成分を含んでいることと、今回は出力電圧を可変したいことから専用のICを用います。ICの使い方についてはナショナルセミコンダクター社の推奨回路のままです(入手し易い部品や定数に変更はしていますが...)。

「直流安定化電源装置」は実験のパートナーであり一度使うと手放せない物です。
そのため、壊れた場合でも自分自身でメンテナンス(修理)が可能なほど簡単な回路だと思います。
また、電圧計と電流計を取り付けて使い勝手をよくしました。「直流安定化電源装置」に電圧計と電流計が有る物と無い物とでは全然違います!


参考...

電力会社から供給される電気は一般にAC100ボルトであることはご存知でしょう。
この、ACとはオルタネート・カレントの略で「交流」を意味します。
「交流」は、下図の様に一定周期でプラスとマイナスが入れ替わる電源であり、変圧器(トランス)を用いての電圧の昇降が効率良く行えます。電圧を高くすることで伝送路損失の少ない配電ができます。

逆に、ラジオや電子ゲーム,パソコンなどの電源ではバッテリー(電池)で動作しています。電池はプラス極とマイナス極の決まった電源でDC電源と呼ばれます。
DCとは、ダイレクト・カレントの略で「直流」のことです。
今の電子機器は全てDC電源で動作していると言っても過言ではありません。

従って、コンセント(AC100V)に接続する電子機器は殆どと言っていい程、今回作ろうとしているAC100VからDC電源に変換する「電源回路」を持っています。
* 電圧を高く(高圧)することで伝送路損失が少なくなる理由や、交流では電圧の昇降が容易であることは別の専門書を参照して下さい。...電気工事士・電検3種など


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