簡単なオーディオミキサー

オペアンプの加算回路です。

図1の例では5入力のミキサーが可能ですが回路を見れば入力数は自由に変更できるのは理解できましょう。
各信号が交わるオペアンプ:OP-1の(-)端子はイマジナルショートによってOPaの(+)端子と同電位=GNDになろうと動作するので各信号が逆流することはありません。

ここではオペアンプの動作説明は省かせていただきます。
必要に応じて、「オペアンプ、加算回路、イマジナルショート」でWEB検索してみて下さい。



【図1】




加算回路を形成するRaは入力抵抗と等しくなり、入力ボリュームの抵抗値より大きな値が望ましいでしょう。
もし入力ボリュームの抵抗値と同等が小さい抵抗値にするとボリュームの減衰量と大きく異なってしまうためです。
図1は入力ボリュームに10KΩ(Aカーブのボリュームがいい)のものを用いて、この場合のRaは47KΩ〜120KΩが最適と思われます。

入力コンデンサは1μFにしてみました。Raに47KΩを用いるとカットオフ周波数は、fc=1/2πCRにより、3.4Hzになります。

オペアンプ:OP-1によって構成した加算回路は位相が反転しますので、オペアンプ:OP-2により位相を合わせました。

オペアンプ:OP-2の出力の51Ωは容量負荷に対する異常発振防止です。
カップリングコンデンサは4.7μFにしてみました。10KΩ負荷ならカットオフ周波数は3.4Hzです。

出力とGND間に接続している100KΩはカップリングコンデンサ:4.7μFに溜まる電荷を放電させ、出力ケーブルを抜き差しした場合のノイズ対策です。
少し理解しにくいかも知れませんが、知らずに入力がフルボリューム状態の機器のケーブルを接続した場合を考えてみて下さい。
カップリングコンデンサ:4.7μFに溜まった電荷は接続先の回路を通り「ブチッ」と大きなショックノイズが発生するでしょう。




図2は応用回路です。
MONOスイッチがOFFの場合は3入力のステレオミキサーとして動作しますが、MONOスイッチをONにると全ての入力がミキシングされ、Output(R)から出力されるようになります。



【図2】




これまでのミキサー回路の電源は正負2電源で稼動させることを前提に回路を描画しました。
音声信号や音楽信号の入力数を増やしたり、各入力信号のボリュームを上げると、ミキシング出力電圧は増加しますので、出力が飽和しないようにできるだけ高い電圧でオペレートしなければ満足できるダイナミックレンジにならないことは理解できましょう。




図3は単一電源で動作させる場合の例です。
オペアンプの+入力端子にR1とR2の分圧により1/2VccのDCバイアスを与えています。全てのオペアンプに共通してDCバイアスを加えるため、C1:47μFを接続して干渉しないようにします。


【図3】

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