ステレオアンプ...page.2/9


部品リスト

部品リストで部品を集める前に下部の「部品の概要」を見ておいて下さい。
部品数は多めですが入手し易いもので回路を考えていますから数件のパーツ屋で集めることができるでしょう。
パーツを購入したら、小さいからといってポケットなどに入れずにカバンや袋に入れるようにしましょう。
サイフを出したり、タバコを吸おうとする時に落として紛失することがあります。
手ぶらで秋葉原に出掛けたときは先にアルミケースを購入し、その店でビニル袋をもらって、それにいろいろなパーツ屋で購入した小さな部品を入れるようにします。
品名 規格 個数 備考 予算
オーディオパワーIC TA8201AK 2 東芝製 @\250
NPN型トランジスタ 2SC1815Y 6 東芝製 @\30
1W:酸化金属皮膜抵抗 2.2Ω 4 赤・赤・金・金 @\20
1/4W:カーボン抵抗 220Ω 2 赤・赤・茶・金 @\10
470Ω 2 黄・紫・茶・金 @\10
560Ω 2 緑・青・茶・金 @\10
1KΩ 2 茶・黒・赤・金 @\10
2.2KΩ 2 赤・赤・赤・金 @\10
4.7KΩ 9 黄・紫・赤・金 @\10
10KΩ 2 茶・黒・橙・金 @\10
15KΩ 6 茶・緑・橙・金 @\10
22KΩ 2 赤・赤・橙・金 @\10
100KΩ 2 茶・黒・黄・金 @\10
120KΩ 2 茶・赤・黄・金 @\10
150KΩ 2 茶・緑・黄・金 @\10
220KΩ 2 赤・赤・黄・金 @\10
電解コンデンサ 4.7μF 10 耐圧50V @\20
33μF 2 耐圧25WV @\30
100μF 2 耐圧25WV @\40
220μF 4 耐圧25WV @\50
470μF 2 耐圧25WV @\70
マイラフィルムコンデンサ 0.0015μF(1500pF) 2 152と表示。ポリエステルフィルムでも可。 @\20
0.027μF 4 273と表示。ポリエステルフィルムでも可。 @\20
0.15μF 4 154と表示。ポリエステルフィルムでも可。 @\20
φ16mm:2連ボリューム 10KΩ:Aカーブ 1 \250
100KΩ:Bカーブ 2 @\250
ツマミ 1 部品の概要、製作のページを参照 \250
2 部品の概要、製作のページを参照 @\180
トグルスイッチ 3P(3端子) 1 \120
6P(6端子) 1 \180
ユニバーサル基板 ICB-288G 2 サンハヤト社 @\150
アルミケース UC17-5-12DD 1 タカチ \2000
アルミ平角棒 H-55又はH-56 部品の概要、製作のページを参照 \200
RCAピンジャック 安価な物で可 4 @\60
陸軍端子 赤と黒を各2個 4 シャーシと絶縁できるもの @\100
ヒューズボックス ミゼットヒューズ用 1 \200
ミゼットヒューズ 2A 数本 @\15
DCジャック スイッチ無しタイプ 1 ACアダプターのプラグに合わせる \100
ACアダプター 12V、2A 1 スイッチングタイプのもの \1000
ブラケット付き発光ダイオード 抵抗なしタイプ 1 \80
ネジ類、サポータ 数個 サポータは10mmのものを4個使用
配線材料 細めと、少し太め 少々
その他 トラブルシューティングのページを参照


オーディオパワーIC:TA8201AKはリンクページの「イーエレ」様で扱っています。



部品の概要

オーディオパワーIC:TA8201AK

 

東芝製のICです。TA8201AKはBTL接続専用のICで、出力に高価な大容量コンデンサを用意する必要がないのでローコストに仕上げられます。
使うピン数も7ピンと少ないですから製作も容易でしょう。形状とピンの数え方を写真に示します。

大きな音量で聴いている場合や、トーンコントロールで低域をブーストしている場合は発熱しますので放熱する必要があります。今回使ったケースは厚手のアルミシャーシなのでシャーシ底部に直に取り付けて放熱します。
出力は17W(電源14.4V、4Ω負荷時)ありますが、今回は12Vで稼動させるので4Ωのスピーカーを使用した時は約13W、8Ωのスピーカーを使用した時は約6W程度となります。この程度の出力があれば一般家庭で音楽などを聴くには充分な値です。

アンプの出力はスピーカーの音圧レベルと合わせて考えるべきです。
たとえば、音圧レベル90dBのスピーカーでアンプ出力1Wで聴いているのと、音圧レベル93dBのスピーカーでアンプ出力0.5Wで聴いている音の大きさは同じです。

トランジスタ:2SC1815Y

 

当ホームページで多く使用し、大変ポピュラーなトランジスタです。
電流増幅度の違いで、2SC1815の後にサフィックスが付きます。今回は多く出回っているYランクを使います。
リード線の名称と概観を上図に示します。

抵抗
今回は炭素皮膜抵抗と、酸化金属皮膜抵抗の2種類を使い分けます。
炭素皮膜抵抗は安価な抵抗で多く出回っているものです。カーボン抵抗とも呼ばれます。
酸化金属皮膜抵抗は電源回路など電力を扱う回路向きで耐熱に優れた抵抗です(難燃性、不燃性)。「酸金抵抗」と略して呼ぶことがあります。
今回はパワーICの出力に接続した発振防止回路の抵抗(2.2Ω)に1Wの酸金抵抗を、それ以外は全て1/4Wのカーボン抵抗を使います。


上の写真は3種類の酸金抵抗(1Wタイプ)とカーボン抵抗(1/4W)1本(一番右の抵抗)を写しています。
酸金抵抗は同じ1Wの物でも製造メーカー等で大きさが異なったり、難燃性や不燃性があります。
なるべく小型の物を使ったほうがいいでしょう。

また、発熱すると思われる個所に酸金抵抗を使うのですから放熱や周りの部品に考慮して、少し浮かして基板に取り付けましょう。浮かして取り付けることで放熱効果が上がります。

尚、本回路に使う酸金抵抗(2.2Ω)は、回路が異常発振していなければ全く発熱は致しません。

また、カーボン抵抗は沢山使いますが、パーツリストのカラー帯を確認しながら集めて下さい。
自分でお皿に取って購入するお店の場合は違ったカラー帯の抵抗が混ざっている場合がありますから、良く見て間違わないようにしましょう。


いつか、私が抵抗を手に取って眺めて元の場所に戻そうとしたら、お店の人が「ちゃんと元の場所にもどしたろうな、チェッ!」と呟きながら、表に出てきて戻した箇所を重点的に確認していました。蹴りでも入れてやろうかと思いました。

電解コンデンサ

私は日ケミのKMGシリーズで揃えましたが、入手できるものであれば何でも構いません。
電解コンデンサには耐圧があります。4.7μFに50V、それ以外は25Vの耐圧のものを使いました。
使う個所によっては6.3Vのものでも充分ですが部品収集を容易にするために揃えました。
電解コンデンサは一般に極性があり、新品時は長いリード線がプラス極です。また、スリーブにはマイナス極を示す表示があります(メーカーによってプラス極を示すものも存在します)。

フィルムコンデンサ

 

オーディオ帯域を扱う回路に多く使用されるコンデンサです。マイラーフィルムコンデンサやポリエステルフィルムコンデンサを使うといいでしょう。
ポリプロピレンフィルムコンデンサやメタライズドポリエステルフィルムコンデンサなどもありますが高価です。
今回は耐圧50Vのポリエステルフィルムコンデンサを使いました。黄色の半透明の物で多く出回っています。黄色ではなく乳白色をした物もあります。
上の写真の右は安価なフィルムコンデンサ類を写したものです。メーカーにより色は様々です。

ボリューム

 

ボリュームは回転角と抵抗の変化のカーブの違いで主にAカーブ(対数変化)、Bカーブ(直線変化)、Cカーブが存在します。
音量調整で使うのはAカーブ(対数変化)です。音量調整するボリュームにBカーブを使うと小音量での音量調整が困難となります。
今回の音量調整には10KΩのAカーブを使います。

トーンコントロール回路に使うボリュームはNF型トーンコントロール回路ではBカーブのボリュームを使います。
今回の定数では100KΩのBカーブを使います。低域と高域の調整がありますから2個用意します。

ステレオアンプですから全て2連のボリュームを使います。
2連ボリュームはボリュームが2つ連なっているものです。軸を回すことで2つ同時に抵抗が変化します。
そこで、メーカーの不明確な安価な物は禁物です。それは、2つのボリュームにバラツキがあるものが存在する場合があり、小音量で聴く時に、どちらか一方の音量が小さくて、もう一方の音量が大きいといった不具合が生じます。
私はアルプス電気の物を使いました。

ボリュームの大きさはφ16mmとφ24mmの物が多く出回っています。
小さ目なφ16mmタイプの物が良いでしょう。
更に、同じ大きさのボリュームでも軸の長さが異なります。長い軸のボリュームを購入すると後で短く切断しなければならない場合があります。長い軸のまま使っても問題はありませんが、見栄えが良くありません。最初から短い軸を購入したほうがいいでしょう。
 
上写真で左側のボリュームが10KΩのAカーブのものです。写真にもはっきりと写っているのが判るでしょう。メーカーによっては「103A」などといった表示もあります。
右側は100KΩのBカーブのものです。「104B」などといった表示もあります。

ツマミ
ボリュームの軸の太さに合ったツマミを用意します。
音量調節は普段良く使うものですから大きめなツマミ、トーンコントロールは普段は使わないので音量ツマミより小さめなツマミとした方がデザインも使い勝手もいいでしょう。
使うケースのデザインにマッチしたツマミを選んで下さい。

安価でピカピカにメッキされた一見カッコ良さそうなツマミもありますが、飽きてきます。

トグルスイッチ

 

レバーが付いているスイッチです。
電源スイッチとして3P(3端子)のトグルスイッチを、入力セレクターとして6Pのトグルスイッチを使います。
電源スイッチは単にON/OFFだけですから2Pの物でも結構です。

ユニバーサル基板:ICB-288G
サンハヤト社から出ているユニバーサル基板です。多く出回っている基板です。
前置段とパワー段で2枚用意します。

ケース:UC17-5-12DD

 

タカチから出でいる少し高級感のあるアルミケースです。
大きさは、幅170mm、高さ50mm、奥行き120mmのものです。もう少し大きめの方が作り易いかもしれません。
今回は前面パネルに取り付けるトーンコントロールのボリューム廻りを空中配線するので、右の写真のようにフロントパネルとリアパネルが単独で外せる物の方が作業しやすいです。

アルミ平角棒

 

幅20mm、厚み2〜3mmで長さ70mmのアルミ棒を用意します。
70mmの長さの物は売られていません。1M又は数10cmで売られている物を金ノコで切断して用意します。
タカチから出ている「H-55」又は「H-56」が最適です。
右の写真は70mmに切断したものです。

これはパワーIC:TA8201AKとシャーシ底辺との間に挟むものです。

何故、これが必要かは製作のページを見て下さい。
(他の方法が思いつく場合があります。)

RCAピンジャック

 

チューナーやCDプレーヤなど信号源と接続する端子です。
小さな信号は扱わないので、シャーシに絶縁する必要がない安価な物で充分です。
2つの入力を設けますのでステレオ分で、計4個を用意します。
中心に色が付いている物がある場合は、Lチャンネルを白、Rチャンネルに赤を使った方が視覚的にも便利です。

陸軍端子
スピーカへ接続するコードを繋げるターミナルとして使います。
必ずシャーシと絶縁して使えるものを使います。
絶縁させないと当然音も出ませんが回路の破損になります。
スピーカのプラス・マイナスを間違えないためにも赤色と黒色を2個づつ、計4個を用意します。

ヒューズボックスと2Aミゼットヒューズ
小さ目のミゼットヒューズが入るヒューズボックスを1個使います。
ミゼットヒューズ2Aも失敗した場合を考えて数本用意します。
このヒューズは製作する回路の保護と、ACアダプターへの保護にもなります。

DCジャック

 

別途用意するACアダプターのプラグに合ったDCジャックを用意します。
適当に選んで購入するとACアダプターのプラグが入らなかったりしますから必ず現品で確認した方がいいでしょう。
金属製のDCジャックは見た目も綺麗です。
また、DCジャックには機器内部の電池とアダプター電源を切り換えるためスイッチが内蔵された物がありますが、今回使うのはスイッチが無い物を使います。スイッチが付いているタイプのDCジャックは端子が3つありますが、スイッチが無いタイプは写真の通り2つの端子です。
誤ってスイッチがあるタイプの物を購入した場合は3つの端子をテスターで測定してプラスマイナスを間違わないように注意する必要があります。

右の写真でDCジャックの極性を示していますが、これはACアダプターのプラグによります。
従ってACアダプターはプラグの中心がプラス、プラグの周りがマイナス、となっている物を用意する必要があります。


ACアダプター:12V,2A

 

私は秋月電気で購入しました。
出力電圧12ボルトで、電流が2アンペア以上取れるスイッチングタイプのACアダプターを用意します。
また、プラグの極性は、DCジャックでも述べたようにプラグの中心がプラス極、周りがマイナス極となっているプラグか確認して下さい。
ACアダプターに写真右のような記号が記してあればOKです。

ブラケット付き発光ダイオード
電源のインジケーターとして使います。飽きない赤色としました。私はDB-9を好んで使います。
電流制限抵抗に4.7KΩを介して発光させました。

赤色以外の発光ダイオードを使う場合も4.7KΩでも充分発光させることができます。
発光ダイオードは極性があるのでプラスマイナスを逆に接続すると発光しません。
どちらがプラスかお店の人に聞いてメモしておきましょう。

ブラケット付き発光ダイオードは抵抗が内臓された物もありますが、抵抗が内蔵されていないものを購入します。

ネジ類、サポータ
全て3mmのネジ類を使います。
ビスは8mmが4本と15mmが2本あれば結構です。ナット、スプリングワッシャ、平ワッシャも数個用意します。

プリアンプ基板の固定は10mmのサポータを介して固定します。一方にタップが切ってあり、もう一方はネジが付いているタイプのサポータを私は好んで使っています。

これらビス・ナット類、サポータは基板の取り付けのみに使います。

配線材料
電子工作として使われる普通のビニルコードの他、若干太めのビニルコードも用意して下さい。色も4種類以上あると便利です。

その他
抵抗47KΩ、セラミックコンデンサの10pF、100pFがそれぞれ2個づつあると便利です。
この事は、最後のトラブルシューティングで記述します。


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