ポータブルMP3プレーヤー...page.2/8


部品リスト

パーツ集めも電子工作の楽しみです。
通販を利用しなければ入手できないパーツもあります。「パーツ街までの交通費」と「通販の場合の送料」を比較して判断して下さい。
通販を利用する場合は、そのお店で他に用意できるパーツがあるかをよく調べて利用店をできるだけ絞って送料を安く済ませましょう。
パーツ点数は少ないと思いますので頑張って集めて下さい。表中の「予算」カラムの金額は高めに見積もっています。
また、リスト以外に「SDカード」、「電池」、「ヘッドホン」の用意が必要です。

品名 規格 個数 備考 予算 パーツ入手先
ワンチップマイコン PIC18F252-I/SP 1 マイクロチップ社 \1200 若松通商
MPEGデコーダー VS1011B 1 VLSIソリューション \2000 ストロベリーリナックス
チャージポンプIC MCP1252-33X50I/MS 1 マイクロチップ社 \315 サトー電気
トランジスタ 2SA1382 1 東芝 \50 サトー電気
2SC1815(Y) 1 東芝 \20
ショットキーバリアダイオード 1SS108 2 日立 @\20
LED Φ3mm高輝度タイプ 1 \30
丸ピンICソケット DIPスリム28ピン 1 \150
セラロック 3端子10MHz 1 \100
クリスタル(HC49US) 12.288MHz 1 \300
集合抵抗 10KΩ6素子7ピン 1 \80 山王電子で見つけた
100KΩ4素子5ピン 1 \80
1/8w(1/6w)炭素皮膜抵抗 15Ω 2 茶緑黒金 @\10
470Ω 2 黄紫茶金 @\10
1KΩ 1 茶黒赤金 \10
1.5KΩ 1 茶緑赤金 \10
2.2KΩ 1 赤赤赤金 \10
4.7KΩ 1 黄紫赤金 \10
10KΩ 3 茶黒橙金 @\10
1MΩ 1 茶黒緑金 \10
セラミックコンデンサ 22pF 2 耐圧50v @\20
積層セラミックコンデンサ 0.1μF 4 耐圧50v @\20
1μF 1 耐圧50v \50
タンタルコンデンサ 10μF 4 耐圧10v〜16v @\50
電解コンデンサ 100μF 2 耐圧6.3v〜16v @\30
プッシュスイッチ MS402 5 ミヤマ @\100
ヘッドホンジャック Φ3.5mm用 1 \150
SDカード変換基板 CK-29 1 サンハヤト \980
基板連結コネクタ 1 本文参考 \100
電池ホルダー 単四電池2本用 1 \120
ポリカーボネートケース 秋月電子:No.P-358 1 \100 秋月電子
ネジ類
配線材料
感光基板 30K(10K、40Kでも可) 1 サンハヤト




部品の概要

ワンチップマイクロコンピューター:PIC18F252-I/SP
PICはマイクロチップテクノロジー社のワンチップマイコンのことで電子工作をされている方であれば聞いた事はあると思います。
PIC18F252はPIC18Fシリーズの中の一つで、メモリが多い部類です。秋月電子のPIC書き込みキットが利用できます。

PICなどマイクロコントローラーは目的の動作をするようにプログラムを書き込んで使う部品です。
プログラムを書き込まないで製作した場合は動作しません。




MPEGデコーダー:VS1011B
自作MP3プレーヤーでよく取り上げられるLSIです。
VS1011BにはQFP、BGA、SOPの3種類のパッケージが存在します。ここではアマチュアが容易に扱えるSOPとして下さい。
SOP以外のパッケージではピンアサインを合わせてもプログラムの修正を要してしまいます。


MPEGデコーダー:VS1011は2009年時点でVS1011E-Sに進んでいますが、VS1011Bのプログラムで動作します。
VS1001/VS1011のサフィックスは特に気にする必要はありません。
どこが改善されたかはメーカーのURLよりデーターシートをダウンロードして確認するといいでしょう。




チャージポンプIC:MCP1252-33X50I/MS
チャージポンプICとは電源ICの仲間です。
昇圧したり負電源を生成したりするのが目的に用いられます。
スイッチング電流をコイルに与えて昇圧するスイッチングタイプと、コンデンサの充放電で昇圧するチャージポンプの2通りがあります。
今回はマイクロチップテクノロジー社のチャージポンプICを用いました。
MCP1252-33X50I/MSは配線により3.3Vと5Vの2通りの出力が選択できて便利です。

このMCP1252-33X50I/MSは現物を見ますと非常に小さいです。
散らかった床や、じゅうたんに落とすと探すのに困難になるので扱いに注意して下さい。

型番の確認、取り付け方向の確認、ハンダ後の確認には、ルーペは必須です。




トランジスタ
2SA1382はコレクタ・エミッタ間飽和電圧が特に小さな値のトランジスタです。
これは電源利用率を上げるためで前項の回路図と回路の説明を参照して下さい。
2SA1382以外にも使えるトランジスタは存在しますので規格表で探してみて下さい。そして、是非、掲示板で報告下さい。

2SC1815-Yは多く出回っているNPN型トランジスタで特に説明は要らないでしょう。

トランジスタは取り付け方向があります。




ショットキーバリアダイオード:1SS108
小信号ショットキーバリアダイオードでは入手しやすい1SS108を使いました。
ショットキーバリアダイオードは順方向電圧:Vfが小さなダイオードです。

回路ではスイッチ(SW1)のLレベル状態をPICに伝える目的で使います。ここに一般のダイオードを使いますと、Lレベルとして認識されない場合があるので必ず小信号ショットキーバリアダイオード:1SS108を用いて下さい。

※SW1にショットキーバリアダイオードを2個を用いるのは、電源制御部とマイコン部の干渉を避けるためです。

ダイオードは極性があります。




発光ダイオード:直径3ミリ
できるだけ高輝度タイプのLEDを用いて下さい。これは消費電流を抑える目的でブリーダ抵抗に1.5KΩと高い抵抗値を使ったためです。
高輝度タイプのLEDであれば青色LEDでも満足できる明るさになります。
尚、直径5ミリのLEDでは大きすぎてケースに収めることができない場合がありますから直径3ミリのタイプを用いて下さい。

気分の問題ですが、赤色LEDではマイルドな音質、青色LEDではクールな音質になる気がします。
ソケットを介して気分でLEDを替えられる様にすると面白いでしょう。

私は青色LEDを使いました。

LEDは極性があり、間違えると点灯しません。




丸ピンICソケット:スリムDIP28ピン
PIC18F252-I/SPの取り付けで使います。
28ピンICソケットでは、標準(6/10インチ幅:600mil)と、スリム(3/10インチ幅:300mil)が存在し、ここで用いるのはスリム(3/10インチ幅:300mil)です。




セラロック:3端子10MHz
マイクロコントローラー:PIC18F252の発振源に使います。
セラロックは村田製作所の登録商標で、セラミック発振子のことを指します。
3端子で10MHzのものを使います。

真中の端子は容量負荷の端子で通常は発振回路の基準ライン(GND)に接続します。両端子は極性はありません。
このため、向きを180度変えて使っても問題ありません。




クリスタル:12.288MHz
MPEGデコーダー:VS1011Bの発振源に使います。
発振周波数は12.288MHz(メガヘルツ)です。
外形は標準のHC-49Uと、背の低いHC-49USがありますが、できれば背の低いHC-49USのタイプを使って下さい。

メーカーにより発振周波数を記号で表現しているものもあります。

取り付け方向はありません。




集合抵抗(抵抗アレイ)
マイクロコントローラー:PIC18F252の各入力のプルアップ抵抗として用います。
抵抗1本1本で構成させるよりも、作りがスマートで、安価になります。
「4素子5ピンの100KΩ(キロオーム)」と「6素子7ピンの10KΩ」を使います。

「4素子5ピンの100KΩ」の抵抗アレイとは、上図のように100KΩの抵抗が4本内蔵され、共通端子と合わせて5本のピンがあるものを指します。
共通端子(COM端子)側には印がありますが、殆どは型番が記されている側から見て左側がCOM端子です。

取り付け時はCOM端子の方向に注意します。取り付け終えてから間違いに気付くと修正に時間が掛かります。

ところで、「6素子7ピンの10KΩ」の抵抗アレイはメーカーのカタログにあるものの、内蔵される抵抗の数での需要が少なく、在庫しているお店も少ないです。
私は、ラジオデパートの「山王電子」で見つけましたが、どうしても見つからない場合は、抵抗1本1本で構成して下さい。




1/8w(1/6w)炭素皮膜抵抗
1/4W品では大きくて製作しにくくなりますので、1/8W品、又は1/6W品の小さな炭素皮膜抵抗を用いて下さい。
小さくてカラー表示が判別できない方はルーペで確認したり、テスターで確認して、取り付けミスがないようにしましょう。

低雑音で知られる金属皮膜抵抗を用いてみてもいいでしょう(1本15円程度です)。
金属皮膜抵抗はガラスエポキシ基板にお似合いです。尚、金属皮膜抵抗を用いたことによる音質変化は私は感じられませんでした。

極性はありません。




セラミックコンデンサ
耐圧50V品の22pF(ピコファラッド)を2本使います。
電源電圧は3.3Vと低いので耐圧50V品では勿体無いと思われますが、耐圧50Vより低い品種は見当らないでしょう。
「耐圧50Vより低いものを下さい」と言ってしまうと店員の気分により説教されるか他の店に行けと言われます。

現物には100pF未満の値のコンデンサですから22と表示されています。
写真のセラミックコンデンサは茶色をしていますが、メーカーにより緑色のものもあります。気にすることはないです。

極性はありません。




積層セラミックコンデンサ
耐圧50V品で、0.1μFと1μF(マイクロファラッド)を使い分けます。
電源電圧は3.3Vと低いので耐圧50V品では勿体無いと思われますが、耐圧50Vより低い品種は見当らないでしょう。

0.1μFは104と表示、1μFは105と表示されています。
積層セラミックコンデンサの多くは写真のように空色をしています。

極性はありません。




タンタルコンデンサ
耐圧は10V又は16V品のものを使います。
タンタルコンデンサは電極にタンタル箔を用いたもので通常の電解コンデンサと比較して各特性に優れます。

写真では青色をしていますが、メーカーにより茶色、緑色など様々です。

タンタルコンデンサには極性があります。新品時は、長いリード線が「プラス極」です。




電解コンデンサ
耐圧6.3V〜16Vで100μFを2個使います。
このコンデンサはヘッドホンとのカップリングコンデンサで用います。

私は日ケミのKMGシリーズ(又はSMGシリーズ)を好んで使っています。

音質に拘る方は、ここにオーディオ向け電解コンデンサを使って下さい。
ただし、オーディオ用電解コンデンサは低い耐圧の品種はなく、また通常の電解コンデンサより大き目なので、横に寝かして取り付ける必要がありましょう。
プリント基板はMPEGデコーダー:VS1011Bの上に広いスペースがあるので、そこにレイアウトしてホットボンドで固定して下さい。
オーディオ用電解コンデンサはスリーブもカッコ良いです。

新品時は、長いリード線が「プラス極」です。




プッシュスイッチ
小型プッシュスイッチで多く出回っているミヤマのMS402を使います。
その他のスイッチを用いる場合は、押している間だけオンするモーメンタリタイプのプッシュスイッチを用いて下さい。




ヘッドホンジャック
必ずステレオ用のヘッドホンジャック(Φ3.5mm)を用いて下さい。
ケースに取り付けしやすく、できるだけ小型のものを選択して下さい。
私は、上の写真で示す通り、片面が透明なプラスチックで内部でプラグが接触している様子が確認できるものを使いました。

端子が内部でプラグのどこと接触するのか判らないと調べるのが面倒です。

参考として、ステレオプラグの様子を下図に記します。






SDカード変換基板:CK-29
サンハヤトから製造販売されているSDカード変換基板:CK-29を使います。
1〜14箇所の端子がありますが、1〜7の端子だけを使います。




基板連結コネクタ
回路基板とSDカード変換基板を連結するために用います。
基板連結ソケットやダブルラインピンヘッダーなどと、お店により呼び方が様々なので、写真を参考に購入して下さい。
ピン数は片側7ピンの合計14ピンあればいいのですが、20ピンや40ピン等で販売されていますので、カッターやニッパーで切断して使います。
(秋月電子で14ピンのメス:[C-169]、オス[C-166]が販売されております)

ピン側は土台から外してピンのみを使います。詳細は製作のページを参照して下さい。

尚、ソケット側の高さは8ミリです(上の写真を参照)。ソケット側の高さが5〜6ミリの対があれば、ピンを土台から外す必要はありません。
ただし、一般に入手できるのはソケット側の高さは8ミリでしょう。ピンを土台から外す作業は難しくございません。




電池ホルダー:単四電池2本用
単四電池が2本入る電池ホルダーを使います。
取り付けは両面テープで固定することにします。




ポリカーボネートケース
秋月電子で販売されている100円のポリカーボネートケース(注文No.P-358)が今回の工作にピッタリです。
大きさは、外寸:95*65*23mm、内寸:88*58*19mmです。
ポリカーボネートケースはアクリルケースと比較して傷が付きにくく、ヒビも発生しにくく、多少無理な加工を行なっても簡単には割れません。
ただ、ヤスリがけは時間が掛かります。




ネジ類
プリント基板の固定のみで、ネジは2本だけ使用します。2.6mmのネジで長さは10mmです。
出来れば皿ネジを使いたいところです。皿ネジはネジの頭が隠れるので出来あがりがスッキリします。
皿ネジではネジ穴をテーパー状に削る必要があります。これには皿ネジ用のリーマや太めのドリル刃で手で直接削ります。
たった2本だけですから是非、皿ネジに挑戦して下さい。
皿ネジに自信が無い方はトラスネジでも結構です。
尚、なべネジは恥ずかしいので止めて下さい。

外装には「皿ネジ」又は「トラスネジ」、目に見えない内部は「なべネジ」が一般といえるでしょう。

また、ケースとプリント基板の間にはスペーサーとして3mmのナットを代用します。

その他、スペーサーの微調整として平ワッシャーも適量ご用意下さい。




配線材料
細めのビニル配線コードを用いて下さい。




感光基板
製作するプリント基板のサイズは48mm×57mmです。

サンハヤトの感光基板でガラスエポキシの30Kがお奨めですが、紙フェノールの10K、又はグリーンエポキシの40Kでも構いません。
サイズは75mm×100mmなので2つ並べてプリントすると2枚分製作できます。

機材・化学品を別途用意しなければいけませんが、感光基板の中に説明書が添付されていますので、よく読んで作業して下さい。


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