MOS-FETによるドライブ回路

マイクロコントローラーなどのロジック回路から、高速動作を求めないが、大きな電流を扱いたい場合はMOS-FETが大変に重宝します。
下図が使用例です。MOS-FETはゲート端子が浮いていると(フロート状態)、破損したり誤動作しますのでRgを省くことはできません。
Rgは10KΩ〜470KΩの範囲であればいいでしょう。



下図はMOS-FETである2SK2231のID-VGS特性を示したものです。
ゲート、ドレイン、ソースを、トランジスタのベース、コレクタ、エミッタに読み替えればトランジスタのIc-Vbe特性で良く見る曲線と酷似していることが判ります。
即ち、トランジスタのBE間に約0.65Vの電圧が掛からないとコレクタ電流が流れないのと同じように、MOS-FETでもGS間に電圧が掛からないとドレイン電流が流れないことを示しています。
このようにトランジスタの動作と似ているID-VGS特性のFETの動作を「エンハンスメントモードのFET」といい、MOS-FETの殆どはエンハンスメントモードです。
エンハンスメントモードのFETはトランジスタの動作と同等に考えることができるのです
※J-FET(ジャンクションタイプ)に多く見られるような、VGSが0Vでドレイン電流が流れ、VGSが0V以下でドレイン電流が流れなくなる動作を「デプレッションモードのFET」という。



上図の2SK2231のID-VGS特性をみるとGS間に4Vを加えれば容易に7アンペアものドレイン電流を扱えることができることが判ります。
ただし、パルス測定であることに注意して下さい。2SK2231のデータシートでは連続では5アンペアまでになっています。
下図ではGS間に4Vを加えればドレインとソース間の実質的な抵抗値は0.12Ωと小さいものになることが判ります。



このようにMOS-FETは容易に大電流を扱えますが、入力容量(Cis)が無視できないほど大きな値であることに注意します。入力容量はバイアスにより大きく変化しますが、それでも無視できない値であり、高速動作させるとロジック側から見て重たい負荷となってしまう場合があります。

MOS-FETを用いた例として「デジタルアラームクロック」で使用していますので参考にして下さい。

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