ローパワーLED点滅回路(交互にフラッシング)

2個の発光ダイオード(LED)を交互にフラッシングさせる回路です。回路図から読めると思いますが、パルス的な光り方を交互に点滅します。
LEDには電源電圧の約2倍の電圧が加わるように工夫してみました。
ロジックICには74ACシリーズを使って低消費電力に努めましょう。
74ACシリーズ(Advanced C-MOS)はHCシリーズ(High speed C-MOS)より高速・電流ドライブ能力を有します。





74AC14はシュミットトリガゲートインバーター回路を6個封入したロジックICです。
ピンアサインは下図の通りです。



IC-aで発振回路を構成しています。1MΩと1μFでおおよそ1Hzです。
ここを10MΩと0.1μFにすると発振周波数は変化ないものの動作する最低電源電圧が高くなってしまうことを確認しました。
下表はLEDに掛かる電圧が電源電圧の約2倍になる原理説明です。

IC-1の入力がHレベルの時は破線の流れでコンデンサ:Cには抵抗:Rを介して電源電圧に近い電圧が充電される。
LEDに対しては逆方向の電位なので光らない。

尚、コンデンサ充電開始直後のLEDには電源電圧に近い電圧が逆方向に加電します。
青色LEDの多くは逆方向の電圧に対する許容電圧値が低いため、青色LEDや白色LEDなどを用いる場合は電源電圧は5Vを超えないようにすることを奨めます。
IC-1の入力がLレベルの時は破線の流れでコンデンサ:Cが放電されるまでLEDに電流が流れる(実際はRによってCには逆方向に充電されます)。
この時、LEDには電源電圧とコンデンサ:Cの電圧が加算された電圧がLEDに加わる。
尚、LEDに電流制限抵抗(ブリーダ抵抗)が省かれていますがICの内部抵抗で抑えられてしまいます。またコンデンサの放電は一瞬のうちに完了しパルス的な発光をします。
LEDのパルス駆動は多くの電流を流せるようになっている場合が殆どなので心配ありません。


LEDが交互に点滅するようにIC-dで反転させています。

ところで、IC-bとIC-d(又はIC-e)を省いても問題ないのではないか疑問が生じると思います。
もしIC-bを省いたとすると発振動作をしているIC-aでLEDを駆動することになり、高抵抗で動作しているIC-aの動作に狂いが生じてデューティー比が大きく偏ってしまいます。
回路定数を変更しても回路構成は回路図のままで動作させることを奨めます。

電圧降下が3V前後の青色・緑色・白色のLEDでも動作するよう乾電池2本(3V)で稼動させてみましょう。
電圧降下が低い赤色・黄色のLEDに限定する場合は乾電池1本(1.5V)でも充分稼動してくれますが3Vのほうがお奨めです。
尚、74AC14の電源電圧は2V〜6Vになっていますが、電源電圧が約1Vでも問題なく動作することを確認しました。

青色LEDと黄色LEDの組合せはとても綺麗です!
LEDには超高輝度タイプを使ってくださいね。
ボタン電池で小さく組んでおもちゃに組み込んだり、光るオブジェなどに利用してみて下さい。

上表の説明から注意点を2つ記述しておきます。
コンデンサに掛かる電圧の極性は+/-反転しますので無極性になるよう回路図のように無極性になるよう接続する必要があります。
また、コンデンサ充電時の始めはLEDに対して逆方向の電圧が掛かります。
青色LED等の逆方向電圧(Vr)の許容値は低く、このためLEDの破損を防ぐため電源電圧は5Vを超えないようにすることを奨めます。

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