イヤホン式ICラジオ...page.2/8


パーツリスト

パーツリストだけですぐにパーツを集めることはしないで、製作のページも一通り理解された上で、自分に何が必要かを書き出してから秋葉原に買いにいきましょう。
また、秋葉原までの電車賃・有料道路・駐車場代・燃料代を考えると、送料を足しても通販を利用した方が安い場合がありますから、よく調べておきましょう。
通販の場合は一緒に作る友達を募ることで送料を安く済ませることができますね。


品名 規格 個数 備考 予算
3端子ラジオIC LMF501T 1 ミツミ \150
トランジスタ 2SC1815(Y) 1 東芝 \30
ストレートラジオ用バーアンテナコイル SL55GT 1 ストレート用なら何でも可 \250
ストレートラジオ用ポリバリコン 1 ツマミも一緒に購入のこと \250
1/4W炭素皮膜抵抗 22Ω 1 赤赤黒金 \10
220Ω 1 赤赤茶金 \10
1KΩ 1 茶黒赤金 \10
33KΩ 1 橙橙橙金 \10
100KΩ 1 茶黒黄金 \10
セラミックコンデンサ(耐圧50V) 0.1μF 3 104と表示 @\10
電解コンデンサ(耐圧50V) 1μF 1 \30
4.7μF 1 \30
3.5ミリ・モノラルイヤホンジャック 1 \80
6P平ラグ板 1 合計12Pあるよ \120
電池ボックス 単四電池1本用 1 単三電池1本用でも可
乾電池 単四電池 1 単三電池でも可
ケース
配線材料・スズメッキ線・ネジ類 スズメッキ線は太さ1mm
イヤホン



部品の概要

3端子ラジオIC:LMF501T
3端子ラジオICといえばLMF501Tというほど知られたパーツです。
電源として1.5Vを用意するだけで動作します。

入力(IN)、出力(OUT)、共通端子(GND)の3端子で外観はトランジスタで見かけるTO-92パッケージです。
端子の並びは上図を参考に間違えないで下さい。




トランジスタ:2SC1815(Y)
トランジスタ:2SC1815Y
2SC1815は東芝のNPN型トランジスタで電子工作では人気のトランジスタです。
hfe(直流電流増幅率)の区分で4つのランクがあります。
hfeはバラツキが大きいので隣接するランクのhfeの数値がオーバーラップしていることが判りますね。

Oランク 70〜140
Yランク 120〜240
GRランク 200〜400
BLランク 350〜700

今回の回路ではhfeが高いほど消費電流が大きくなってしまうので、hfeが低めなYランク又はOランクを選択したいところです。
私は入手が容易な2SC1815Yを使いました。

尚、hfeの大小による音量の変化は殆ど感じられません。

取り付け時は向きに注意します。
また、写真にあるリード線の名称と回路図にある電子記号を確認してみましょう。




ストレートラジオ用バーアンテナコイル
写真に写るようなフェライト棒にコイルが巻かれた部品です。
ストレートラジオ用のバーアンテナコイルを使って下さい。

今回は入手が容易と思われるSL55GTを使いました。
SL55GTは2次巻線を有して5本のリード線があります。その様子は下図の通りです。




今回の回路で使うリード線は1と2のリード線です。他の3本は使いません(使わないリード線は切断しないで先端をテープで絶縁しておきます)。

図を見て頂ければ判るように、1と2の端子はバーアンテナコイルの中でも一番多く巻かれているコイルの端子です。
即ち、SL55GTに限らず、他のストレートラジオ用バーアンテナコイルにおいても同じで、一番多く巻かれているコイルの端子を使えばいいのです。
一番多く巻かれているコイルの端子は現物を見れば容易に判断できますから安心して下さい。
よく見掛けるストレートラジオ用バーアンテナコイルとしてSL55GTの他、SL50GT、SL45GT、PA63R、BA200などがあります。
スーパーラジオ用のバーアンテナコイルは使えませんので注意して下さい。

取付けはフェライト棒にスズメッキ線を巻いてラグ板にハンダ付けして固定することにしました。
製作のページで詳しく記述します。




ストレートラジオ用ポリバリコン
写真に写るような部品でストレートラジオ用ポリバリコンでは2つの端子を有します。
3つの端子があるスーパーラジオ用ポリバリコンは使えません。

ポリバリコンとは誘電体にポリエステルフィルムを用いたバリアブルコンデンサ(可変容量コンデンサ)のことで、軸を廻すことで静電容量が変化します。
通常はバーアンテナコイルと組んで使う部品なので、バーアンテナを購入したショップで購入しましょう。
また、バリコンのツマミも一緒に購入しましょう。

このとき、バリコンを固定するビスとツマミを固定するビスの合計3個のビスが添付されていることを必ず確認して下さい。
これは意外に重要です。ビスがないと困るよ!
パーツショップによってはバリコンを固定するビスが別売の場合があるので通販を利用する場合は充分ご注意下さい。




1/4W炭素皮膜抵抗
写真のような1/4W(よんぶんのいちワット)タイプの抵抗で、計5本使います。
1/4Wとは許容電力を表しており、1/4W(0.25W)まで扱える抵抗器であることを表します。
ただし、回路計算で0.25Wとなる箇所に、ぎりぎりの1/4W抵抗器を使うことはないでしょう。0.25Wは相当な発熱です。
1/2Wや1W、2Wと許容電力が増すほど抵抗器の形状も大きくなります。これは発生する熱を大気に放熱するために表面積を稼ぐためです。

ところで今回の回路では扱う電流は微少で1/6Wや1/8Wの抵抗器でも支障はありませんが、1/4Wの抵抗が入手も容易で電子工作には最適な大きさです。

炭素皮膜抵抗とは、抵抗体に炭素を応用した抵抗器です。炭素皮膜抵抗は多く使われており価格も安いものです。

アキシャルリードタイプの抵抗の多くは抵抗値をカラーの帯で示されます。炭素皮膜抵抗では4本のカラーの帯で表す場合が多く、今回使う抵抗のカラーはパーツリストの備考欄を参考にして下さい。

取り付け方向はありません。

ここで、アキシャルリードタイプという言葉を使いましたが、「アキシャルリードタイプ」の電子部品と似た言葉に、「ラジアルリードタイプ」という言葉があります。
これは電子部品のリード線のレイアウトを表しています。





セラミックコンデンサ
セラミックコンデンサは誘電体に磁器(セラミック)を応用したコンデンサです。

耐圧は50V(50ボルト)でいいでしょう。
電源電圧は1.5Vなので耐圧は低くてもいいのですが、耐圧50V未満のセラミックコンデンサは出回っていません(稀に12.5Vや25Vのものがある)。

セラミックコンデンサは上部の写真のように円盤の形状をしています。外装の色はほとんど茶色をしているでしょう。
現物には104と印字されているはずです。

取り付け方向はありません。




電解コンデンサ
電解コンデンサは化学で作られたコンデンサで、ケミカルコンデンサ(ケミコン)とも呼ばれます。

耐圧は50Vでいいでしょう。電源は1.5Vですから耐圧は充分低くてよいのですが、1μF、4.7μFでは低い耐圧のものは売られていないでしょう。
これは、小容量の電解コンデンサでは、小型品を除いて耐圧16V〜50Vの範囲では大きさはほとんど変らないためです。

電解コンデンサはノンポーラ(無極性)タイプを除いて、極性があり、取り付け方向に注意しなければいけません。
新品時はリード線が長いほうがプラス極です。スリーブ(被覆)にはマイナス極を示す印字がされているでしょう。




3.5ミリ・モノラルイヤホンジャック
イヤホンプラグの受け側です。
イヤホンプラグの多くはφ3.5mmですから、φ3.5mmのモノラルイヤホンジャックとします。

イヤホンジャックではスピーカへの配線を含めて3つの端子があります。
内部はプラグを差し込むことでスピーカーへの接続が離れる構造になっています。


現物をよく観察すると判りますが、それでも判らない場合はイヤホンをジャックに差して、乾電池(1.5V)を、ある2端子に当てて「カリカリ」音が出れば、その2端子を使いましょう。

モノラル音源ですからイヤホンジャックへの配線に極性はありません。

音源はモノラルですが、両耳で聴きたい場合や、恋人と2人で聴きたい場合は、ステレオタイプのジャックにするといいでしょう。
この場合、逆位相で配線するか同位相で配線するかは貴方の耳で判断して下さい。




6P平ラグ板
平ラグ板とは写真に写るものです。
6P平ラグ板とは、片側に6個の端子があり、両側と合わせて12個の端子があるものです。

初期のテレビ、ラジオ、ステレオはこのようなラグ板で組み立てられていました。

時代を逆行するようですが、私は手軽な高周波実験ではラグ板をよく使います。なぜならパーツの交換が容易だからです。
外したパーツはリード線が長いので再利用もできますね。

また、ラグ板は初めての電子工作にも最適と考えます。電子部品同士の結線が一目瞭然だからです。

ただし、ラグ板を推奨している訳ではございませんのでご了承下さい。
流行の電子回路は高速化されており、ラグ板による製作では満足できる結果とならないのは当然のことです。




電池ボックス・電池
手頃な大きさの単三電池又は単四電池を1本使います。
使う電池の大きさに合わせて電池ボックスを使います。

電池ボックスは両面テープで固定することとします。




ケース
加工が簡単なケースを探してみましょう。
私は秋月電子でみつけたポリカーボネートケースを用いてみました。
(「ポータブルMP3プレーヤー」で使ったものと同じケース)




配線材料・スズメッキ線・ネジ類
配線材料は0.12mm10芯程度の電子工作で用いられるような配線コードで、長さは1メートルもあれば充分です。

スズメッキ線は太さ1mmのもので、今回はバーアンテナコイルをラグ板に固定する目的で用いました。
詳細は製作の項で記述します。

ネジ類はラグ板をケースに固定するために用います。φ3mm長さ10mmのものでいいでしょう。


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