電子ブザー...page.1/2


概要

トランジスターと小型トランスを使ったブロッキング発振回路の電子ブザーです。
回路にちょこっと部品を追加して小鳥の鳴き声に似た仕上げにしました。
今回は回路基板のみの製作で使い道(応用)は作るあなた次第です。



回路




回路の説明

トランスからコンデンサ(0.01μF)を介してトランジスタのベースへ帰還させるブロッキング発振の基本的な回路です。
今回はトランジスタのベースとGND(グランド)[電池のマイナス(基準レベル)]の間に1KΩと220μFを追加して音を間欠にすることで小鳥の鳴き声に似たものにしました。
回路から1KΩと220μFを外してしまえば単にプーというブザーになります。



用意する部品

今回は基板のみの製作で、ブザー自体の使い道はあなたが考えて下さい。
電源スイッチには「用意する部品」でマイクロスイッチを紹介しました。マイクロスイッチは各種センサーに使われるものでいろいろなことに応用できます。実際に手にとって考えてみて下さい。

品名 規格 個数 備考 予算
小型トランス ST-32 1 相当品で可 \250
トランジスタ 2SC1815 1 \60
電解コンデンサ 220μF 10V以上 1 \80
マイラーコンデンサ 0.1μF 50V 1 セラミック型でも可 \40
0.01μF 50V 1 \40
1/4W カーボン抵抗 1KΩ(茶,黒,赤,金) 1 \10
100KΩ(茶,黒,黄,金) 1 \10
ユニバーサルIC基板 ICB-93 1 こだわる必要なし \250
スピーカ 口径57mm 8Ω型 1 \200
006P用電池スナップ 1 \50
006P 9V電池 1 \170
配線材料 ビニルコード等 少々
マイクロスイッチ 1 \250

部品の外観

小型トランス(ST-32)
トランスは図記号の様に鉄心にコイルを巻いたものが2組以上で構成される部品です。
一方のコイルに電圧を加える(変化させる)と、もう一方のコイルにもコイル巻数に比例した電圧の変化量が誘導(電磁誘導)される部品です。
今回、使用するトランスの目的は電圧の昇降ではなく、インピーダンスのマッチングの為に使います。
とにかく、理論よりも実際に使ってみて勉強は後にしましょう。

今回使う小型トランスはST-32というものでスピーカを駆動するトランスとしては標準ともいえるもので簡単に入手可能です。サンスイというメーカーで作られたものですが同等品は他メーカーにもあるようなので、お店の人には「小型トランスのST-32か、同等品を...」と伝えて下さい。
リード線は5本出ています。

トランジスタ
NPN型トランジスタで最もポピュラーな2SC1815を1個用意します。
2SC1815は電流増幅率(hfe)の違いでO,Y,GR,BLの4ランクありますが今回はどれを使っても構いません。
写真はランクYを写しています。
また、右の写真の様に約5mm間隔にリード線を広げておきましょう。


電解コンデンサ
電解コンデンサは表面加工されたアルミ箔にリン酸やホウ酸の溶液に浸けて電圧を加え酸化皮膜を形成し、この膜を誘電体に利用したものです。酸化皮膜を形成する際の加えた電圧によって使用できる耐圧(電圧)が定められるので電解コンデンサには必ず耐圧(電圧)の表示が記してあります。従って、電解コンデンサに表記してある耐圧を超えた電圧を掛けることはできません。
今回の回路では耐圧6.3Vのもので充分ですが、電池が9Vなので念のため耐圧10V以上のものを選んで下さい。写真は35Vのものを写しています。
耐圧が高くなるに従い、外形も大きくなるので10V〜25V品がよろしいかと思います。

* 耐圧には主なものとして、6.3V,10V,16V,25V,35V,50V,63V,80V,100V...があります。

また、電解コンデンサの殆どは使う極性が決まっています。従って、外装には極性表示がなされています(マイナス側に帯マークが印刷されているものが多いが、よく観察すること!)。
使う回路で電位が高い方にコンデンサのプラス側を接続します。
更に、新品のものは写真で観るようにプラス側のリード線が長くなっています。
電解コンデンサは、耐圧以下で、極性を守って使用します。

尚、今回使う電解コンデンサの容量は220μF(マイクロファラッド)のもの1個だけです。
メーカーにより外装が黒や青、緑などいろいろあります。規格が同じであれば入手できるもので結構です。

マイラーコンデンサ
マイラーコンデンサは誘電体にマイラーフィルムを使用したコンデンサです。
マイラーコンデンサにも耐圧がありますが気にしないで結構です。売られている殆どのものが耐圧50Vと思われる為です。
今回用意するのは0.1μF(104と表示)と0.01μF(103と表示)で各1本づつです。
104とか103とか表示されている意味(静電容量の値)については3石ラジオのページを参照して下さい。
メーカーにより、クリアな黄色や深緑、茶色などいろいろあります。入手できるもので結構です。

カーボン抵抗
1/4Wのもので1KΩ(茶,黒,赤,金)と100KΩ(茶,黒,黄,金)を1本づつ用意します。
抵抗値はカラー(色)で表しています。

ユニバーサル基板
穴と穴の間隔が2.54mmピッチのIC基板を用意します。
サンハヤト社のICB-93というもの(大きさ72mm*95mm)を使いましたが、これよりも小さい基板で充分です。他のメーカーでもユニバーサル基板がありますので手頃な大きさのものを使って下さい。

スピーカ
自分は口径57mmのスピーカを使いました。入手できる手頃な大きさで安価なものを使って下さい。
尚、ケースを用意し、そこに小穴をたくさん開けて取り付ける場合は別途スピーカ取り付け爪を3〜4個購入します。
尚、間違ってもHi-Fi用のものは購入しないで下さい。猫に小判です。

006P型9V電池と電池スナップ
006Pの9V電池はコンビニでも売っています。四角い形をしていますが、間違っても高価なカメラ用の電池を買わないように!
006P用の電池スナップについてはパーツショップで購入して下さい。

マイクロスイッチ
マイクロスイッチは軽いタッチでクリック感があり信頼性の高いもので、シーケンス制御などの各種センサーにも使われる程です。
軽いタッチですが意外に大きな電流が流せます。
今回はこのマイクロスイッチを電源スイッチとして使用してみて下さい。きっと素晴らしいアイデアが浮かんでくると思います。

端子は3つあり、コモン端子(COM又はCと表示),NO端子(ノーマリオープンの略),NC端子(ノーマリクローズの略)で以下の動作になります。

スイッチが押されていない時は、COM端子とNO端子が離れ、COM端子とNC端子が通じている。
スイッチが押されているときは、COM端子とNO端子が通じ、COM端子とNC端子は離れている。


このマイクロスイッチは1個250円前後で購入できます。
メーカーにより様々な形状をしたものがありますがCOM端子,NO端子,NC端子の3つは必ずあり、ちゃんと端子名が表示されているはずです。

集める部品は以下の様子です(配線材料を含む)
* 定規は関係ありません!




TOPNEXT