家の中でカーステレオを使う...page.1/2


はじめに

買い替えで使わなくなったカーステレオ、または中古で手に入れたカーステレオを、家の中で使えるようにする工作です。
単純に電源とスピーカーを接続するだけでなく、内蔵した電源をカーステレオ以外にも楽しく使えるようにカーソケット:アクセサリーソケット(シガーソケット)も取り付けてみましょう。
安全に使えるように金属ケースに収めて下さいね。

カーステレオとはクルマの中で音楽を聴くシステム全体(配線、メインユニット、スピーカーなど)のことを指しますが、ここで紹介するのはカーステレオで中核となるメインユニット(ヘッドユニットともいう)を使うことを目的とします。
なので、このページではメインユニットのことをカーステレオと呼ぶことにします。

カーステレオのメインユニットについて何も知らない人がいるならば、以後の作り方や使い方を記述してもチンプンカンプンなので私なりに簡単に説明しますね。
メインユニットの外観については「メインユニット」または「ヘッドユニット」でWEB検索して画像など確認してみて下さい。



メインユニットとは

カーステレオから電源とスピーカーとアンテナを除いた全ての機能がメインユニットです。
逆に言うと、メインユニットに電源とアンテナとスピーカーを接続するだけでステレオが完成します。
アンテナはラジオを聞くために必須です。

※ハイエンドカーオーディオは割愛いたします。


↑今回僕が用意したメインユニット【ケンウッドU320W】



メインユニットの大きさ

メインユニットのサイズは規格化されており、スリムな1DINサイズ(幅180mm、縦50mm)と、操作性に優れた2DINサイズ(幅180mm、縦100mm)があります。
奥行は製品によって様々です。USBオーディオやBluetoothオーディオに特化したメカレスの機種は奥行きが短くなっているようです。

今回はケース内に電源を内蔵させたいのでスリムな1DINサイズのメインユニットを用意しました。



メインユニットはパワーアンプを4回路内蔵

メインユニットは4つのパワーアンプを内蔵しています。
クルマの前方(フロント)と後方(リア)でステレオを楽しめるように4つのパワーアンプを持っていて、独立して音量調整ができるようになっています。
その様子を下図に示します。




カーステレオを家で楽しむ時のスピーカーの配線

カーステレオは4つのパワーアンプを持っていますが、家でステレオを聴く場合の多くは左右の2スピーカーなので、リア用の出力(またはフロント用の出力)にスピーカーを接続し、もう一方の出力は未接続にします。



自作派ならばプラスツイーターや2ウェイにしてバイワイヤリング接続ができます。ツイーターとフルレンジ(ウーハー)とのレベル差はカーステレオのFADER調整で簡単に行なえますね。



メインユニットの機種により、スピーカー出力の独立した遅延の調整で最良のリスニングポジションに設定できる機能があります。
家の中で聴く場合は後方に設置したスピーカー出力を遅延することでアンビエンスの効いたサウンドを楽しめます。



メインユニットの電源ハーネスについて

メインユニットの電源ハーネスとは、メインユニットに付属されるハーネスのことです。
ハーネスとはコネクタがついた電線束のことで、一般的に機種固有の専用パーツになります。
即ち、メインユニットには必ず専用の電源ハーネスが付属されています。
中古でメインユニットを入手する場合は専用の電源ハーネスがあることを確認しましょう。


↑電源ハーネスとメインユニット


↑ここで述べる電源ハーネスとは、メインユニットに直接接続するハーネスのことです。



電源ハーネスのスリーブ色と意味を把握しておく

今回の工作で使う電源ハーネスの配線を下表に示します(コードの色と端子形状を確認)。下表にない色のコードは使わないので未接続にしておきます。
全てのカーオーディオのハーネスが下表の通りとは限りません。コードの色と端子形状が異なる場合は取扱説明書で確認し作業を進めて下さい。

コードの色 端子形状 名称 説明
ギボシ端子(オス) BATT
(バッテリー電源)
常にバッテリーのプラスに接続しておく。
外すと設定内容(ラジオのプリセットや時計、イコライザなど)が工場出荷状態に戻ってしまう機種が殆ど。
ギボシ端子(オス) ACC
(アクセサリ電源)
バッテリーのプラスに接続するとメインユニットが操作可能状態になる。
※ACC電源が入るとACC電源が切られた直前の動作をします。
※手動でメインユニットの電源をOFFしているとACC電源が加わってもOFFのままです。
 黒 クワ型端子 接地 ボディーアース(GNDに相当)。
ギボシ端子(メス) フロント左側(+) フロント左側スピーカー出力。
/黒 ギボシ端子(オス) フロント左側(−)
ギボシ端子(メス) フロント右側(+) フロント右側スピーカー出力。
/黒 ギボシ端子(オス) フロント右側(−)
ギボシ端子(メス) リア左側(+) リア左側スピーカー出力。
/黒 ギボシ端子(オス) リア左側(−)
ギボシ端子(メス) リア右側(+) リア右側スピーカー出力。
/黒 ギボシ端子(オス) リア右側(−)

本来のクルマに取付け・交換する場合は、車種別のハーネスキット(取付キット)を使って誰でも簡単に取り付けができるようになっています。
必要なのはクルマの内装を「バキッ」と外す度胸だけです。

ところで、表中のギボシ端子の写真は絶縁カバーで隠れてオスとメスの関係が分かりにくいので下の写真でオスとメスの様子を掲げておきます。




単純にメインユニットを稼働させる配線図

単純にメインユニットを使うだけなら容量の大きな12Vアダプターを用意して接続箇所をちゃんと処理すればバラックでも実用になります。
下図をクリックしてPDFで見て下さい。



メイン電源の配線はメモリ保持のため12Vを加えておきますが、メインユニットが休止状態なら流れる電流は極わずかです。



カーソケットを接続して楽しいものに仕上げよう

バラックじゃなくて金属ケースに収めて誰でも安全に使えるようにしましょう。
配線は簡単なのでケースの穴開け作業に時間を掛けましょう。

電源は100W級のスイッチング電源を内蔵してみました。
ついでに楽しく又は実験にも使えるようにカーソケットを設けてみましょう。
カーソケットはアクセサリーソケット又はシガーソケットのことで、カープラグを利用した製品の電源取り出し口です。
カープラグを使った製品は主にカーショップなどで販売されており便利で楽しものが沢山あります。
ただし、カーソケットをショート又は大きな電流でスイッチング電源をダメにしたくないので3アンペア程度のヒューズは必ず設けましょう。

全ての配線は下図PDFを参考にして下さい。

配線ミスは許されません!特にスイッチング電源の配線ミスは重大な事故になります。




基本的にハンダは使わずに圧着端子で配線しましょう。そのほうがメンテナンスが楽になり、メインユニットの交換も簡単に行なえます。

圧着作業が解らない場合は、いろいろ検索するよりも、潟jチフなど圧着端子メーカーのホームページで紹介されている方法が判りやすいと思います。
ちなみに圧着工具の扱いは多少の訓練は必要ですが、圧着端子に慣れると工作がより楽しくなります。
ところで圧着端子とリード線をハンダ付けすることは僕はお奨めしないです。圧着端子をハンダするくらいなら、最初から圧着端子を使わないで直接ハンダしたほうがいいです。

私は今回の工作でハンダは一切使いませんでした。もしも主電源スイッチやACインレットをハンダする場合はパーツの端子の小穴にリード線を通して絡げてハンダして下さい。
「僕も圧着で工作してみよう」と決めたなら、主電源スイッチやACインレットなどファストン端子に対応しているか確認しながらパーツを集めましょう。

次の項は製作した紹介になります。注意やコツなど記述しているので、きっと見てね!


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