ストレート式ICラジオ...page.1/6


概要

ラジオ部とスピーカ駆動部にそれぞれICを用いたラジオです。ICを使用することで部品点数を極力少なくして作りやすさと実用性を備えています。
ストレート式として無調整で組み立てることが出来るので、ICを初めて使いたい方にお勧めしたいです...



ブロック図

ラジオ部にミツミの3端子ラジオIC:LMF501T,低周波電力増幅部にナショナルセミコンダクタのLM386Nを使用しました。

回路図

回路の説明

LMF501は3端子しかないAMラジオ用ICですが内部は3段の高周波増幅と検波回路を内臓したものです(ミツミ製)。
LMF501の通常で使う電源電圧は乾電池1本分の1.5Vが標準ですが、次段に使うIC(LM386N)の最低動作電圧が4Vなので、006P型9V電池を使いました。このままでは、LMF501に掛かる電圧が高すぎるので、ここではLEDを点灯した時のLED端子電圧が1.8V〜2V一定になることを利用し、これをLMF501の電源しとて使います。
LEDは9Vラインから2.2KΩの抵抗により点灯させています。
LEDと並列に接続したコンデンサ:1μFはLMF501に掛かる電源インピーダンスを低下させ動作の安定を図っています。
LMF501周辺のコンデンサ,抵抗などの値や接続はメーカー指定(近似値)のままです。

LMF501からのラジオ音声信号は可変抵抗:10KΩ VRにより音量調整され、次段の低周波増幅部に受け渡します。

LM386Nはスピーカーを駆動するICとしては大変ポピュラーでロングセラーなICです(ナショナルセミコンダクター製)。
LM386Nのピン(端子)は8本あり、1ピンと8ピンに抵抗,コンデンサを接続することで電圧増幅率を任意(20〜200倍)に設定できます。
今回は最大の200倍として使用しています。
スピーカーと並列に接続したコンデンサ:0.1μFと抵抗:10Ωの回路はIC〜スピーカー間の配線が長い場合の発振対策です。

電池と並列に接続されるコンデンサ:220μFは電源ラインのインピーダンスを低下させ動作の安定を図っています。この220μFが接続されないと、電源ラインのインピーダンスが上昇し、LM386Nが不安定な動作となり発振してしまいます。



インピーダンス.....
交流回路における抵抗値を一般化したものと考えて下さい。実際の算出には複素数を含み複雑な式を使うこともあります。詳しくは専門書で調べて下さい。


発振(発振トラブル).....
上手く設計された回路でも電源が弱くては予定通りの動作をしないことがあります。
電源ラインのインピーダンスが高いと回路動作が変化した時に僅かにその変動が電源ラインに乗り小信号ラインに影響を及ぼします。
最悪の場合は「ビィー,ギャー...」と音が出たり、時にはオシロスコープなど高価な測定機でなければ確認できない程の高い周波数で発振している場合があります(発振トラブル)。このことは、アナログ回路,デジタル回路共通に言え、デジタル回路ではF/Fなどトリガー信号を扱う回路で誤動作したりします。

* この現象は経験しませんと分かりませんが.....

何れにしましても電源インピーダンスの上昇を抑えることは重要なことで、電源ラインの要所要所にコンデンサを並列に接続し、余計にコンデンサを接続ても「お守り」として使います。


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